昨今の状況により、店内で飲食されない消費者に向けてデリバリーサービスに対応しているお店もだんだん増えてきています。そんな中最近急増していて注目を浴びているのが「ゴーストレストラン」です。
- ゴーストレストランとは?
- ゴーストレストランの闇、注意すべき点
- ゴーストレストランのフランチャイズ化
を踏まえて解説していきます。
ゴーストレストランとは?怪しいの?
ゴーストレストランとは、別名「バーチャルレストラン」や「クラウドキッチン」とも言われ、イートインスペースを設けず、キッチンのみで開業できるデリバリー専門のお店になります。
- デリバリーアプリなどネット上だけに存在するお店
- 実店舗は存在しない
営業はデリバリーアプリやネット上のみで行っています。
存在しないお店を作り出した結果、「ゴーストレストラン」と呼ばれるようになりました。
ゴーストレストランの魅力は、キッチンスペースがあれば始めることができる点です。したがって開業費用が抑えられたり、お客に注文を伺うといったホールスタッフを雇う人件費の削減ができたりと、飲食に興味があるけど資金の関係で店舗を構えられない方におすすめです。
大手チェーン、小僧寿しもゴーストレストランに参入
例えば小僧寿しの子会社であるDELIS(デリズ)もゴーストレストランの一つです。自前で注文後配達までを行うデリバリーサービスです。人気チェーン店や一流シェフ監修したブランド含め全30種類以上のブランドを取り扱います。DELISの公式サイトはこちらから。
本来であれば上記形態をゴーストレストランと呼んでいましたが、デリバリサービスの多種多様化が進み、本来の意味合いとは違った形でゴーストレストランと使われることもあります。
店舗向けのゴーストレストランの開業方法や売り上げの目安については以下記事で解説しています。
問題点を2点、ゴーストレストランの闇として以下でそれぞれ説明していきます。
【闇その1】実店舗の名前とは別の名前を使って複数店舗をデリバリサービスに登録している?
理由1つ目は、「存在する飲食店がバーチャル店舗として複数店舗をフードデリバリサービスに出店していること」です。
- すでに存在するお店が別名でゴーストレストラン始めている
- 同じ住所で多数のゴーストレストラン展開しているケースも
営業時間短縮や感染対策で飲食店から客が遠のいた結果、飲食店が行ったこととしてはテイクアウトを開始し、UberEatsや出前館といったデリバリサービスの取り扱いを開始するようになりましたよね。それが結果的に各デリバリサービス内では競争が高くなってしまい、デリバリサービスでも売れないという事態が発生してしまいました。
お店側は少しでも多くの注文が入らないと、余儀なく閉店を迫られることとなります。ここで店側が打ち出した対策としては、店舗名とは別に別形態として売り出すことです。
例えば、「居酒屋X」が様々な料理を提供しているお店とします。
仮にこの居酒屋Xが定番の「焼き鳥」や「唐揚げ」をメニューで出していたとします。
これをデリバリサービスでは「居酒屋X」として登録せずにあえて「肉汁たっぷり 鶏丼」という名称で登録したとします。
皆さんならこの2つであればどちらの方を選びたいですか?
おそらく「肉汁たっぷり 鶏丼」というお店を選びたいのではないでしょうか。
現在このような店舗が大変増えているんです。
これにより配達員は地図に示された「肉汁たっぷり 鶏丼」店へ料理を取りにむかうも、実際に地図が示した先は「居酒屋X」というお店だった、ということで「肉汁たっぷり 鶏丼専門店」は存在しなかった。ということになります。
そしてこのように実店舗名を別名で複数出店して、デリバリサービスの画面上で見てもらえるようにしているのです。
【闇その2】「専門店」じゃないのに専門店の名がつく!?
闇その1で説明したように、あたかもある食材「鶏」をメインに取り扱うお店のように売り出して、実際には別形態「居酒屋」だったと説明しました。
闇その1でお伝えしましたが、先ほどのお店が居酒屋ではなく、「焼き鳥専門店」や「唐揚げ専門店」と名乗って売り出していたらどう思いますか?
「専門店」とつくことで食材にこだわっているお店だ、と錯覚しまう人もいると思います。
問題は、専門店ではないのに専門店を装っている点です。
居酒屋やレストランなどいろんな料理を提供するお店は、食材を豊富に用意しています。
これらの食材を使って、専門店ではないのにデリバリサービスに各登録しているお店のジャンルを分けることで「専門店」でもバレにくく注文が入りやすいという状況が出来上がります。
ゴーストレストランのフランチャイズ店が増えている
皆さんはフランチャイズという意味をご存じですか?フランチャイズを簡単に説明すると、お店の看板名やノウハウを貸す代わりに経営や裁量はその加盟店に任せるというものです。
このフランチャイズ、実際にはコンビニや、飲食店、ガソリンスタンドといったチェーン店が有名ですが、今このデリバリーサービスが普及してきている今、デリバリー向けのフランチャイズ店が増えてきているのです。
そして、こういったデリバリーサービス向けのフランチャイズ店舗は直営店(実店舗)を持たないということが多いのです。
分かりやすく図を使って説明します。
運営元の企業はフランチャイズの加盟店オーナー(店舗)を募集します。そして、その各オーナーに製造方法のメニューやレシピを伝えます。例えば、カレーならルーや調味料をフランチャイズ運営元が各加盟店に発送します。通常のフランチャイズ飲食店と同様の方法でフランチャイズ加盟店舗による味のブレを防いでいるのです。
通常のフランチャイズ飲食店は同じ店舗でモスバーガーとコメダ珈琲とケンタッキーフライドチキンに加盟するなどの複数のフランチャイズ同時契約は物理的にできませんが、ゴーストレストランを営むオーナーは同じ店舗で複数のフランチャイズ店舗に加盟することができます。また、ゴーストレストランですから、デリバリーサービスに複数出店していてもばれにくく、オーナー側は各大元からレシピを頂けるので簡単に料理を提供することができるというメリットがあります。
このようにして、ゴーストレストランはデリバリーサービス上では実店舗以外に別のお店として出店しているんですね。
専門店の味を楽しんでもらうために注意すべき事
皆さんは料理を注文する際は何を見て注文しますか?
「料理の写真」「レビュー(口コミ)」を主に見るのではないでしょうか?
見た目がおいしそうでレビューもそこそこいい。という情報だけで「専門店」と名のつくお店を注文しようとしている方はちょっと注意したほうがいいかもしれません。
もちろんすべての専門店やゴーストレストランを否定するわけではありません。
この場で伝えたいというのは冷凍食品やレトルトを用いて出来合いの料理でも「専門店」とうたっている悪質な店舗もあるのです。
ゴーストレストランの専門店を見分ける方法
デリバリーは通常の飲食店よりも手数料と送料で割高になっているので、できるだけおいしいお店を見つけたいと思う方も多いと思います。
ゴーストレストランの専門店かどうか見分けるためには、掲載の店舗名か住所を検索することをお勧めします。
実際に店舗を構えているところであれば、Googleのレビューや食べログ等で紹介されていることが多いです。
また、実店舗の飲食店が運営している場合は、実店舗の評価が高い場合はゴーストレストランの味も比較的良い可能性が高いです。
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